自動販売機風のおもちゃの作り方

自動販売機風の自作おもちゃ 自動販売機

自動販売機の様なオモチャを作ったので、作り方を紹介します。
カードをかざすと、お菓子が出てきます。
書いたコードや回路図、機構などをまとめました。

動作デモ

YouTUBEに動画をアップしました。YouTUBEへのリンク

操作方法

操作は簡単です。カードをかざすと、お菓子が出てきます。

自動販売機風おもちゃ

機構の特徴

マガジンにお菓子を整列して、一つずつ押し出して切り出します。
押し出す機構は、モーターの回転から直進を取り出すスライダークランク機構です。

スライダークランク機構の模式アニメーション

詳細は後述しますが、モーターはタミヤのギヤボックスを使いました。減速機がついてコンパクトで、かなり使い勝手が良いです。

システム構成

制御には、Arduino UNOを使いました。
カードをかざす部分は、リードスイッチです。
カードの裏に、マグネットシートを貼った「非接触カードモドキ」です。

自動販売機風おもちゃのシステム構成ブロック図

回路図

下図は、回路図です。

  • モーターは、モータードライバー(TA7267BP)経由で制御しています。
  • 回転制御は透過型フォトインタラプタ(LBT-131)を使いました。LED側はIF=約10mAに設定して抵抗値を390Ωにしました。
  • 電源は、スイッチングACアダプターを2種類使っています。内訳は、以下の通りです。
自動販売機風おもちゃの回路図
自動販売機風おもちゃの回路図

▼ 電子部品は、もっぱら秋月電子さんで買っています。

秋月電子通商 トップページ
株式会社秋月電子通商(電子部品の通販、販売)のページです。

▼ Arduinoが完全に初めての方は、入門用のキットを買うと細かい部材が一度に揃って手っ取り早いです。(抵抗やジャンプワイヤなど)

回路をブレッドボード上に組んだ様子

以下に、回路をブレッドボード上に配線した様子を紹介します。

▼ まず本体からの配線を含めて撮影すると、こんな感じです。

おもちゃ自販機回路の配線の全体図2 (本体部も含めて撮影)

▼ 基板の全体写真です。ごちゃついていて済みません。

  • 長いブレッドボードの右端の部品(タクトスイッチとトランジスタ)はテスト用なので、回路図とは別です。
  • 左の小さいブレッドボードは、回路図の「モーター制御」部の部品を載せています。
  • Arduinoの右角から伸びている線は、9VのスイッチングACアダプター(例えばこんな商品)のケーブルです。
自販機回路をブレッドボード上に組んだ様子
おもちゃ自販機回路の配線の全体図

▼ Arduino部拡大

おもちゃ自販機回路のArduino部拡大
おもちゃ自販機回路のArduino部拡大

▼ メインのブレッドボード部拡大

▼ モーター制御部拡大。右端は電源コネクタで、別途6VのスイッチングACアダプター(例えばこんな商品)をここから支給します。
(左下の抵抗は無関係です。付けたままになっていました)

おもちゃ自販機回路のモータードライバー部拡大
おもちゃ自販機回路のモータードライバー部拡大

▼ 電源コネクター部拡大。基板用のDCジャック(例えばこんな商品)に電線を半田付けして、使っています。

DCジャックに、スイッチングACアダプターを接続した様子
DCジャックに、スイッチングACアダプターを接続した様子

▼ Arduinoのピン8(画面中央のオレンジ色の配線)に注目すると、

Arduinoのピン8周辺

▼ 上の写真のArduinoのピン8から出た配線は、モータードライバーICのピン1と繋げています。

モータードライバー拡大

プログラムのコード

以下は、Arduino用に書いたコードです。

開発環境

Arduinoへコードを書きこむのは、Arduino IDE 1.8.xを使いました。

Arduino IDEの使い方の流れは、別記事で説明(こちら)しています。

処理の流れ

下図は、プログラムの流れのフローチャートです。
ブザー以降は、モーターを1回転させて止めるための処理です。
今回のモーターは直流ブラシモーターなので、電気を流してる間はずっと回り続けます。そこで、開始位置と停止位置をセンサー(フォトインタラプタ)で検知して、ON/OFFを切り替えています。

自動販売機風おもちゃの処理の流れ
自動販売機風おもちゃの処理フローチャート

「回転ステータス」は、モーターの1回転を検知するための処理です。下のステータス表の左のINPUT側の条件になったら、右のOUTPUT側のステータスを出力して、モーターのON/OFFを切り替えています。

モーター一回転のためのステータス表
モーター一回転のためのステータス表

ステータスのインプット(start_valとrotation_val)は、1回転で回転を止めるために状態を監視しています。下の写真のように遮蔽板(ドグ)を1/4カットした個所を通過すれば、回転を開始したと判断→次に光が遮られたら通電停止するという事になります。

回転の開始位置

▲ 写真の遮蔽板(ドグ)形状だと、180°しか回転しないように思えるかもしれません。
しかしモーターは急にぴったり止まれないので、惰性でオーバーランすることを想定した形状にしました。(早めに通電を止めています)

製作方法

外装

主に外装部分には、スチレンボードを使いました。

ある程度の強度もあり、扱いやすくてちょっとした模型をつくるのに役立ちます。
なにより、とても入手がしやすいです。(ダイソーなど100円ショップで調達できます)

使用したのは、以下の部位です。

  • 外側のパネル
  • ショーケース(お菓子の見本を展示する)
  • シュート(商品のすべり台)

スチレンボード同士の貼り付けには、専用のノリを使うとしっかりくっつきます。
(※以前は工用ボンドを使いましたが、今回は専用品を買ってみました)

スチのりを使ってスチレンボードを貼付
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カード

カードは段ボールに折り紙を貼って、裏にマグネットシートを貼ります。
マグネットシートも折り紙も、100円ショップのダイソーで入手しました。

使ったマグネットシート

マグネットシートは、ダイソーで以下のモノを購入しました。

  • ダイソー マグネットテープ No.422 幅30 mm × 厚み1.2 mm

リードスイッチとは、かなり近づける必要があります。測定はできていませんが、感覚的には5mm以下まで近づけて、やっと反応するレベルです。
よって、リードスイッチの前面のパネル厚にご留意下さい。この記事では、できるだけ近づける為「コピー用紙」を使いました。

機構部分

機構部分(ギヤボックスやベースプレート、リンクアーム)は、タミヤの工作用部材をフル活用しました。

自動販売機風おもちゃの機構部分

▼主な部材の品番表です。表内のリンクは、メーカーサイトへ飛びます。

ギヤボックス(含モーター)タミヤ 3速クランクギヤーボックスセット No.93
ベースプレートタミヤ ユニバーサルプレートL(210×160mm)No.172
リンクアーム不明。昔、どこかで買ったアーム
(※タミヤでも同様品があります。 ユニバーサルアームセット No.143
リンクのガイドやプッシュリベットタミヤ ユニバーサルプレート (2枚セット)No.157 の付属品
シャフトタミヤ 3mmネジシャフトセット No.171
シャフト先端の立方体サンハヤト 基板垂直取付用ブロック(6mm角) SBB-003

商品を整列するマガジンは、段ボールを折って作りました。

自動販売機風おもちゃのマガジンコンテナ

基板と配線

今回は大半をブレッドボードに配置しました。
ただ、ブレッドボードから離れる部品(リードスイッチとフォトセンサー)は、ユニバーサルプレートに半田付けして基板を作りました。

フォトインタラプタの配線例
フォトインタラプタの配線例

基板製作時はスズメッキ線を這わせて、なるべく半田付け個所を少なくするようにしました。

半田付けの様子の写真にごちゃごちゃモノが写っていますが、これは基板がフラフラ動いてしまうので置いたオモリです。

コネクタは、Qiコネクタを使っています。電線の被覆を剥いて、専用の端子をカシメて作ります。
逆付け防止機構が無い、というデメリットがありますが工作には便利です。

▼方法は、ショップのデジットさんのブログが詳しいです。

▼通販でも買えます。

精密圧着ペンチ
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使う主な工具

はんだごて

フォトインタラプターの基板作成などに使いました。火傷には気を付けて下さい。
私はHOZANのキャップ付きハンダゴテ H-250(2022/7/31現在、生産終了)を使っています。

似たはんだごてだと、以下のものが入手可能です。

特に不満があるわけではありませんが、慣れてきたら温度調節機能付きの方がよいかもしれません。

カッターナイフ

スチレンボードをカット

スチレンボートを切るのに使います。
今回は思い切って大き目のカッター(オルファ スピードハイパーL型 226B)を買ってみました。手にしっくり馴染んで切れ味も良く、使いやすくて気に入りました。

スピードハイパーL型|オルファ株式会社 【公式サイト】
握ったときに、滑らず力のかけやすい形状を追求したX(エックス)デザイン・ハイパーシリーズの大型カッターナイフ。驚くほどに軽い切れ味のスピードブレード装着。ネジロック式。
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圧着ペンチ

QIコネクタを使って配線を作る際のカシメに使いました。
エンジニア社のPA-21という精密圧着ペンチを使いました。

圧着名人 精密圧着ペンチ 圧着工具 オープンバレル端子 PA-21
🎥 製品の紹介動画はコチラをクリック!【特長】まるで専用工具! バレルが高いオープンバレル端子にも対応する精密圧着ペンチ。芯線バレルと被覆バレルを個別に圧着するため、100種以上の端子を高精度に圧着できます。新設計のダイス形状により、バレルの高い端子にも対応。4つのダイスを使い分けることで、さまざまなサイズの端子に対応...

ワイヤストリッパー

配線を作るなら必須です。被覆を剥き剥きします。
VESSEL社のワイヤーストリッパー No.3500E-2を使いました。

株式会社ベッセル|VESSEL こたえる かなえる
ドライバー、ビット・ソケット、エアーツールなどの締めつけ工具から、工場内での静電気対策品まで幅広い商品群情報を満載

製作後の感想

いざ完成してみるとシンプルですが、検討から製作、動作まで結局ひと月ほどかかってしまいました。
一番時間がかかったのは、制御プログラムでした。一回転して止まって待機……が何故かなかなか上手くいかず意外に苦戦しました。
モーターが止まらなくなったり、ブザーが鳴りっぱなしになったりして焦りました。

また本来はカード部分をRFIDのキットを買って試そうと思っていましたが、時間が無くて見かけだけのリードスイッチ仕様になりました。これはこれで、モドキっぽくて面白くて気に入ってます。

コメント

  1. hahhii より:

    うちの3歳児が、自動改札大好きです。
    そこで、ICカード(もどき)でタッチすると「ピッ」となるようなおもちゃを買おうと思い、探しましたがあまりないようで。
    では自作?と思い、こちらにたどり着きました。大変参考になります!
    さっそく、100円ショップでリードスイッチ式のLEDライトを買ってきました。
    リードスイッチに手持ちの適当なマグネットシートを近づけましたが、あまり反応しないようなので、ネオジム磁石にしようかと悩み中です。。。

    • のぼゆ のぼゆ より:

      コメントありがとうございます。
      リードスイッチを反応させるのは、地味に苦労する点ですね。
      この記事の作品でも、数ミリまで接近させると反応する状態です。
      御参考に、使ったマグネットシートを記事に追記しました。

      https://studio.noboyu.com/diy-vending-machine-toy/#card

      ネオジム磁石だと、今回の用途には強力過ぎて危険かと思われます。リードスイッチやネジなど周囲部品に吸着してしまって離れづらくなることが考えられます。

      少し不便かもですが、個人的にはオモチャとしてはマグネットシートが一番手軽だと思います。

  2. hahhii より:

    同じマグネットシートをダイソーで買ってみましたが、リードスイッチがうまく作動しないようでした。
    ジャンクで、寸法1×5×9.5(mm)のネオジム磁石が有ったので、これを利用しました。
    不要なプラスチック製のAmazonギフトカードを3枚重ねにして、真ん中の1枚に開けた穴にはめ込み、両面テープでサンドイッチにして、うまくできました。
    薄くて小さいネオジムなので磁力が弱いのと、表面に磁石が出ていないので、磁力による危険性は問題ないようです。
    ネットで拾ってきたパスモの画像と自動改札のタッチ部の画像をコンビニでカラー印刷して、うまく仕上がりました!
    材料費は、百円アイテム×3、薄型露出増設ボックス 400円位?、コンビニ印刷50円でした。
    ありがとうございました。

    • のぼゆ のぼゆ より:

      こんにちは!マグネットシートお役に立てず申し訳ないです。
      ともあれ、完成おめでとうございます。工夫の賜物ですね。
      お子様、喜んでくれるとよいですね。
      こちらこそ、コメントありがとうございました。

  3. わき より:

    はじめまして
    このサイトを参考に製作させていただいている工業高校生です
    感想にモーターが止まらなくなったと書かれていて、私も同じようになってしまっている状況です
    どのようにして改善したかおしえていただけますか?

    • のぼゆ のぼゆ より:

      はじめまして。コメントありがとうございます。
      モーターが止まらなくなる件ですが、私の場合は理由は複数ありました。
      例えば、配線ミスでセンサーからの入力が不安定だったり、コードのHIGH/LOW表記を間違えていたりしました。
      対策として、理由を突き止めるために、検証用の回路とコードで部品一つ一つの挙動をテストしました。
      例えば、モーター単体をタクトSWで簡単にOn/offする回路でモーターの動きを見たり、フォトインタラプタとLEDでセンサーの反応を確かめたり・・・というような感じです。

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